STILL —「WCSは物流自動化のデジタル神経中枢である」
フォークリフトと物流自動化システムを手がける独STILLが、自動化された物流施設で使うソフトの役割分担を整理した。親会社のKIONグループは産業車両の世界大手で、WMSと自動化システムのDematicも傘下に置く。STILLはソフトを三つに分ける。何がどこにいくつあるかを管理するWMS。受けた注文をどの順番でどう作業に割り振るかを決めるWES。そして機械に直接指示を出すWCSである。WCSがやるのは、どの経路で運ぶかを決めること、不良品を見つけること、機械同士をぶつけないこと、そして止めるか動かすかを判断することだ。同社はWCSを「マテリアルフローのペースセッター」(荷物の流れの速さを決める役)と位置づける。
やり取りするデータは多い。シャトル式の設備は、荷物を1回運ぶ指示ごとに数百件の状態と位置を送ってくる。AGVの群れは中央のソフトと位置情報を絶えず交換する。AGVだけならメーカーの管理ソフトで動く。だが、その管理ソフトが指示を出せない機械が同じ流れに入った時点でWCSが要る。メーカーの違うAGVを一つにまとめるには、独自動車工業会(VDA)などが作った共通の通信規格VDA 5050に合わせた上位のソフトを使う。ただし台数とデータが増えれば、それでも対応しきれなくなると同社は書いている。
WMS・WES・WCSを一つにまとめれば、システムのつなぎ目が減る。データの置き場が一つになるので状況も見えやすく、関わるシステムと会社の数も減る。「WCSは物流自動化の“デジタル神経中枢”だ。コンベヤ、ロボティクス、そして人のやりとりを、リアルタイムにオーケストレーションする」と、同社で自動化イントラロジスティクス事業の営業・エンジニアリングを率いるJohannes Funke氏は述べる。
出典 Logistics Business / 2026.08.18