IoT Analytics — 施設内物流の市場は2025年に960億ドル、大区分ではソフトが年平均11.4%で最も速く伸びる
ドイツの市場調査会社IoT Analyticsは10月15日、「Intralogistics Market and Technology Trends Report 2026」の内容を公表した。施設内物流とは、物流施設や工場の敷地内で、荷物を移動し、保管し、その流れを制御することを指す。市場には、機器、ソフト、通信設備、サービスが含まれる。規模は2025年に960億ドルで、2020年以降は年平均8%で成長してきた。同社は、市場が2030年まで年平均6.7%で成長し、約1,330億ドルになると予測する。報告書は31の製品・サービス区分を対象とし、メーカー、システム構築会社、運営企業への30件超の聞き取りをもとにしている。
最も速く伸びる大区分はソフトで、2025年の63億ドルから、2030年に108億ドル(年平均11.4%)になる。ここには、在庫と出荷を管理するWMS、マテハンへの指示を担うWCS、注文の作業への割り振りを決めるWES、現実の設備を仮想空間に再現して試すデジタルツインのソフト、分析のソフトが含まれる。機器の一部である自律移動ロボットと無人搬送車(AMRとAGV)への支出は、2025年の43億ドルから2030年に84億ドルとほぼ倍増し、年平均では約14%の伸びになる。分析担当者は、中国のメーカーが性能を高め、現地の保守体制を整え、価格を下げていると述べる。施設を運営する企業が挙げる課題の最上位は人手不足で、報告書によれば、ピッキング作業の多い施設では、年間の離職率が200〜300%に達する。
同社が挙げた3つの傾向のうち、2つがソフトに関わる。1つは、人員の配置、在庫の補充、保守の計画といった、施設の管理者が行ってきた判断を、AIエージェント(自律的に作業を進めるAI)が担い始めていることだ。独EPG(物流施設向けのソフト会社)は、3月の展示会LogiMAT 2026で、AIエージェントが人員の割り当てを変え、補充を指示するソフトを発表した。トラックが遅れたときに働くという。もう1つは、WMSと自動化設備の間に、メーカーを問わず使える、マテハンに指示を出すソフトが現れていることだ。物流大手DHLは、米SVT Robotics(ロボット連携ソフトの会社)のソフトを使い、7か国の施設で、新しいロボットを施設のシステムに数時間でつないだ。SVTの技術者の手は借りなかった。報告書は結論の一つとして、運営企業が複数メーカーのロボットを使うようになっていると述べる。そのため、ドイツ自動車工業会(VDA)などが策定した共通通信規格VDA 5050や、メーカーを問わないソフトが、購入の基準になるという。
出典 IoT Analytics / 2026.10.15