今週のキーワードは「NVIDIA Physical AIスタックのエージェント化」「Figureの物流本格投入」「Physical AIのボトルネックはソフトウェアへ」「日本勢の本格資本投下」。NVIDIAがGTC Taipeiでフィジカルワーケーション全体をエージェント駆動可能なAgent Toolkitとして再定義し、Figureが大手リテーラーの物流網にhumanoidを商用配備、Slamcoreは$14MをRockwell・Toyota Venturesから調達、ダイフクは2030年1兆円ビジョンで520億円追加投資──Physical AIが「研究」から「現場のKPI責任」へ移った1週間でした。
1NVIDIA、Physical AI Agent ToolkitとIsaac GR00T Reference Humanoidを発表
GTC Taipei/Computexで、Cosmos 3・Omniverse・Isaac・Metropolis・Alpamayo・Jetsonを全てagent-callableなツール群に。Unitree H2ベース・Sharpa Wave 5指ハンド・Jetson Thor T5000搭載のリファレンスヒューマノイド(22DoF両手+150kg級)も公開。1X・Agility・FieldAI・Skild AI・Universal Robotsが採用。
出典: The Robot Report
2Figure × Catalyst Brands、商用契約締結
JCPenney・Aéropostale・Brooks Brothersを束ねるCatalyst Brandsのレノ(NV)DCでFigure 03 humanoidを実配備。同社のBotQ製造拠点は「1日1台→1時間1台」に到達、350台超を量産、9,000アクチュエータを稼働。Helix基盤モデル学習データを現場から回収する設計。
3QNX調査「Physical AIの最大ボトルネックはハードでなくソフト」
1,000名のロボ開発者調査で、最大ボトルネックは「ソフトウェアアーキテクチャと統合」27%(ハードは16%)。91%が現状GPOSで安全クリティカル領域を運用、86%がOS変更を検討中。85%が「今後3〜5年でソフトの役割が一段大きくなる」と回答。
出典: The Robot Report
4ダイフク、2030年売上1兆円ビジョンで追加520億円投資・Physical AI本格化
滋賀+小牧で約400億円の生産能力増強、ドイツ・アイゼンマン買収(約120億円)。京都Labに続き「東京Lab」を3月開設、Physical AI/ロボティクスを東京50名体制で開発。寺井社長「フィジカルAIを目指さなければいけない。3年後の2030年には現場実証を始めたい」。
出典: LNEWS
5NIST、ヒューマノイド性能の業界共通ベンチマークを提案
DARPA Robotics Challenge(2015)以来となる初の標準化ベンチマーク。Tesla Optimus・Figure・Agility・Apptronik・Unitreeが各社マーケ動画で「数字を語っている」中、ロコモーション+マニピュレーション+全身制御を統一テスト装置で評価。米国メーカーには無償配布予定。
出典: The Robot Report
6Slamcore、$14M調達—Rockwell Automation・Toyota Venturesが参画
視覚AIで「マニュアル車両(フォークリフト等)」をGPS・ビーコン不要で位置・挙動トラッキング。米国だけで年35,000〜62,000件のフォークリフト事故、稼働率は50%未満という"見えない車両群"のオペレーション可視化レイヤー。累計$40M。
7FORT Robotics、Mapless AIを買収—Safety+Teleopの「Trust Platform」へ
19,000台・600顧客に展開済みのFORTが、ボストン/ピッツバーグのMapless AI(リモート遠隔操作+オンボード能動安全)を取得。「Physical AIが数十億ドル市場でも、機械が信頼に足る挙動を取れなければスケールしない」(Reeves CEO)。
出典: The Robot Report
8MISUMI Group、1,500億円規模の「Global Investment Vision」—Americas設立
MISUMI Americas発足、AIサプライチェーンプラットフォームFictiv(昨年$350Mで買収)と統合。Dave Evans初代米国CEO就任。「静的なサプライチェーンを生きた自己最適化生産システムに変える」。ロボティクス・eVTOL・宇宙向け部品供給を一本化。
出典: The Robot Report
9ANSCER Robotics、Series A $5.4M調達—インド発AMRが米国展開
Bengaluru発。AGV/フォークリフトの積載力とAMRのナビを融合した"hybrid"設計。インド・タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシアに展開済み、米国では大手宅配会社で稼働中。Automate 2026に出展。
出典: The Robot Report
10Gaussy、棚搬送ロボの「スポットレンタル」サービス開始
繁忙期の数週間〜数ヶ月単位での増設に対応する短期RaaS。日本国内で「ロボットを買わずに使う」モデルが、商社系・3PL系を巻き込み一段スケール段階へ。
出典: LNEWS
11The Robot Report、2026 Robotics Summit & Expo総括
ボストンで開催。Locus・Universal Robots・Amazon RoboticsのキーノートでPhysical AI、安全、ヒューマノイドが中核議題。QNX調査・NIST提案・Figure・NVIDIA発表が会期前後に集中し、業界の「Physical AI実装年」を象徴。
出典: The Robot Report