1. HOME(コーポレート Ver 02)
  2. 導入事例
  3. 「PEER 100」導入事例 - 株式会社オートバックスセブン 様
導入事例:自律型協働ロボット「PEER 100」

自律型協働ロボット「PEER 100」を導入し、
「稼働後わずか1カ月で生産性2倍」「未経験者でも熟練者と同様の生産性」を実現

株式会社オートバックスセブン 様

GROUNDは、自律型協働ロボット「PEER 100」を株式会社オートバックスセブンの東日本ロジスティクスセンターへ導入し、2024年9月より本格稼働が開始しました。

同センター内にてEC物流部門立ち上げを機に、自動化そしてAMR導入をリードされてきた関係者の皆様へ「PEER 100」採用の理由や導入効果について詳しくお伺いしました。

「PEER 100」導入概要

導入企業 株式会社オートバックスセブン 様
業種 オートバックスグループ店舗のフランチャイズ本部として
カー用品の卸売
および小売、車検・整備、車両買取・販売、板金・塗装等
導入ロボット 自律型協働ロボット「PEER 100」
稼働開始時期 2024年9月
導入台数 7台
導入場所 東日本ロジスティクスセンター(千葉県市川市)

「PEER 100」導入前と導入後の比較

  • 導入前

    • 非効率で負荷が大きいピッキング作業:1オーダー1人のシングルピッキングは時間を要するうえ、台車を押しての作業は負荷(歩行距離や取扱重量)も大きかった
    • 手作業による生産性向上の難しさ:商品ピッキングから梱包まで、一連の作業を手作業で行っているため、出荷作業全体における大幅な生産性向上が難しかった
    • 波動対応の人員確保・スポット作業者の生産性確保の難しさ:波動対応のための人員を確保することが難しく、さらに確保した人員が作業に慣れていないため生産性の確保が難しかった
    • 出荷作業全体の効率化・自動化が急務:人手に頼った運営からの脱却と、 安定したピッキング作業を実現するソリューション導入の必要性を感じていた
  • 導入後

    • 生産性の大幅向上:「PEER 100」1台あたり6 オーダーのマルチピッキングにより、稼働後わずか1カ月で 約2倍の生産性を実現
    • 作業品質とスピードの均質化: ロボットに搭載されているタブレットを用いた指示により、経験の浅い作業者でも熟練者と変わらない作業スピードと精度の実現が可能に
    • 効率的な作業者トレーニング:「PEER 100」が商品のロケーションと外観を示すため、トレーニング時間が短縮され、即戦力化を促進
    • 作業者の負担軽減:「PEER 100」が搬送を担うことで、作業者の身体的負担を軽減し、歩行数も減少

お話を伺ったお客様

  • 株式会社オートバックスセブン 流通企画部 EC物流課 物流エキスパート 森田 公人 氏

    株式会社オートバックスセブン

    流通企画部 EC物流課 物流エキスパート

    森田 公人 氏

    オートバックスセブンのECで取り扱う商品の物流を担うEC物流課に所属。EC物流部門の立ち上げに参画。3PL企業でのご経験に加え、物流全般的な知識とスキルを活かし、物流エキスパートとして東日本ロジスティクスセンターのさらなる自動化に向けた取り組みをご担当。

  • 株式会社オートバックスセブン 流通企画部 EC物流課 小椋 健治 氏

    株式会社オートバックスセブン

    流通企画部 EC物流課

    小椋 健治 氏

    EC物流課に所属。ITを中心としたプロフェッショナルな知見を活かし、EC物流部門立ち上げ当初より、ロボットの選定、現場のレイアウト作成、システム連携など、多岐にわたってご担当。

柔軟な架台設計と、スピーディでスムーズな導入が決め手となり、「PEER 100」を採用

柔軟な架台設計と、スピーディでスムーズな導入が決め手となり、「PEER 100」を採用

――「PEER 100」を導入するまでの経緯と背景をお聞かせください。

小椋氏:この東日本ロジスティクスセンターは、築約30年が経過しており、人手を中心とした運営を行ってきました。EC物流部門の立ち上げ当初から自動化設備の導入は検討していたものの、運用開始から約1年間はマニュアルピッキングで対応していました。
しかし、EC需要が大きく伸長するにつれて、波動時には店舗向け物流部門から応援を呼んで対応するような状況が生じるようになりました。この状況を受け、私たちは自動化設備の導入が人手不足の課題解決と運営体制変革に不可欠であるということを強く認識しました。
そこで、さまざまなメーカーのGTP、AMR、AGVなどを検討したのですが、特に注目したのがAMRでした。

――なぜAMRに注目されたのか、また、最終的に「PEER 100」導入の決め手となったのはどのような点だったのか、お聞かせいただけますか。

小椋氏:AMRは、AGVのように固定された誘導体を必要としないため、導入時に大規模工事が不要だったからです。今後のEC物量の変動によってレイアウト変更の可能性もあるため、柔軟に対応できるAMRは魅力的でした。さらに、AMRであれば安定したピッキング作業を支援し、効率化と省人化が実現できそうだと判断しました。そこから、AMRに絞って選定を行い、出荷量やスペース・予算に最も見合った設備である「PEER 100」の導入を決定しました。

「PEER 100」は弊社のWMS(倉庫管理システム)と比較的容易に連携でき、スピーディな導入が可能だったことも決め手のひとつです。
また、導入前に、GROUND社の協力を得て実際の現場でPoC(Proof of Concept、実証実験)を実施し、過去の出荷データを基に生産性の検証を行いました。PoCを行う前に台数試算や導入後の生産性試算はいただいておりましたが、PoCでしっかりと検証できたことで、両社納得の上、台数を7台に決定できました。
作業者にとっても、PoCでロボットを目にしていたためか、導入時にもあまり抵抗なく受け入れてもらったように感じています。

森田氏:1台のAMRにできるだけ多くのオーダーを渡して効率的に回すことを希望していたので、「PEER 100」の柔軟な架台設計も大きな魅力でした。弊社では「PEER 100」1台あたり25リットルのオリコン6台を搭載しているので、一度に6オーダーのピッキングが可能になります。搭載するオリコンの大きさや台数が固定されているAMRも多いなか、「PEER 100」ではオリコンを載せる高さまでも設定することができました。これは、女性や高齢の作業者にとっても、オリコンに商品を入れやすいと好評です。

ピッキング作業の生産性が稼働後わずか1カ月で2倍に、未経験者でも熟練者と同様の生産性を実現

ピッキング作業の生産性が稼働後わずか1カ月で2倍に、未経験者でも熟練者と同様の生産性を実現

――「PEER 100」を活用し、具体的にどのようなオペレーションを実現しているか、また、どのような効果があったのか教えてください。

小椋氏:弊社ではWMSと「PEER 100」を連携しているため、「PEER 100」は発注情報と在庫情報をもとに、商品が保管されている棚の前まで自律的に移動し、停止します。停止後は、ロボットに搭載されたタブレットにピッキングすべき商品の写真と数量が表示されます。作業者は、停止している「PEER 100」を見つけ、タブレット画面の情報と照らし合わせながら、棚から対象商品を必要な数だけピッキングし、ロボットのオリコンに入れます。

この、「PEER 100がいるところに作業がある」というスタイルにより、トレーニング時間も最小限に抑えられ、ロケーションを覚えていない作業者でも生産性を落とすことなく、ピッキングを行うことが可能になりました。
また、ピッキング自体を画面の指示通りに進められるだけでなく、タブレットに表示された商品の写真と実物を照合できるため、経験や熟練度に依存せず、高い精度で作業を維持・向上できています。

――ピッキングの作業品質とスピードの均質化やトレーニングの効率化以外にも、効果があったのでしょうか。

小椋氏:商品がオリコンに入り、作業者が完了ボタンを押すと、「PEER 100」は次にピッキングしなければならない商品のある場所へまた自律的に移動しますが、作業者はその後を追いかけるのではなく、停止している別のロボットを探し、商品ピッキングを行います。作業者がロボットを追従しなくても良い、つまり、商品をピッキングする作業以外は「PEER 100」が自己完結してくれます。

これにより、1人1オーダーのシングルピックとは異なり、作業者をエリアごとに配置して、そのエリア内で停止している「PEER 100」を見つけてピッキングを行う、ゾーンピックが可能となりました。歩行数減少にもつながり、作業者の身体的負担を軽減できますし、生産性も導入後わずか1カ月で約2倍に向上しました。
導入した7台すべての稼働により作業者の数を導入前の半数に削減でき、これまでピッキングに従事していた作業者が梱包作業を行うなどの多能工化を実現し、出荷工程全体の効率化にも貢献しています。

――「PEER 100」導入後、社内の変化について教えてください。

森田氏:EC物流課のミッションである自動化を進めるにあたり、「PEER 100」の導入が社内での自動化ロボット導入の初事例となりました。生産性向上の成功事例ができたことで、次の自動化設備への投資にもつながっていると感じています。

導入から運用支援までをGROUNDと伴走、共により一層の効率化を目指す

導入から運用支援までをGROUNDと伴走、ともにより一層の効率化を目指す

――GROUNDを評価している点を教えてください。

小椋氏:GROUND社のチームは、導入・立ち上げの際に現場へ常駐し、手厚いフォローを提供してくれました。また、導入後も細かな調整に対応してもらい、心強かったです。
現在、弊社ではEC物流のピッキングエリアでのみ「PEER 100」を活用していますが、まだEC自体のオーダーが少なく、ロボットの稼働時間が短いことが現状の課題です。これに対し、GROUND社は単なる運用支援に留まらず、棚卸や他エリアでの活用方法について一緒に考え、具体的な提案をしてくれています。

森田氏:より一層の効率化を目指しており、「PEER 100」 1台あたりの最大オーダー数を現在の6から、さらに増やせるかどうか、GROUND社と相談中です。こちらのニーズを的確に汲み取って、最善の策を一緒に検討してくれています。
今後、さらなるロボットの活用が進むことを望んでいます。

――「PEER 100」導入を検討されている企業へのアドバイスなどがあればお聞かせください。

小椋氏:「PEER 100」に限ったことではないのですが、ただロボットを入れるだけではなく、ロボットが人と協働作業しやすいような環境(レイアウト)作りが重要だと思います。弊社では、通路幅やロボットの動線を意識して棚の配置を工夫したレイアウトとしています。
また、細かなことですが、充電場所をどこに設置するか、また電圧の不足はないかなども見落としがちな点かもしれません。

森田氏:「PEER 100」には、今ロボットがどこにいるか、つまりピッキング場所がリアルタイムにわかる機能があるので、大画面モニタなどの周辺機材を設置し、作業者がロボットを探す手間を少なくすると、より有効活用ができると感じています。
そして、ロボット導入を検討される企業には、ぜひGROUND社のようなパートナーと組むことをお勧めします。GROUND社は単に「PEER 100」のようなロボットを紹介するだけでなく、我々の業務を深く理解し、最適な導入プランを一緒に考えてくれるコンサルティング力があります。導入後も手厚いアフターフォローで、運用上の細かな相談にも親身に対応してくれるので、初めてロボットを導入される企業でも安心して進められるはずです。