【コラム】物流現場の“人”にまつわる悩みを、どう解決するか― 第1回:「再配置」という視点
目次
- 1. はじめに
- 2. 動的に人を動かす、「再配置」という解決策
- 3. 変化に対応する現場へ:情報系WESが実現する「再配置の仕組み」
- 4. まとめ
1.はじめに
物流現場では、限られた人数で日々の業務を回しながら、急な欠勤や業務波動にどう対応するかが常に課題となります。
特に多くの現場で見られるのが、「人はいるのに、回らない」という現象です。
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これらを改善するカギが、「(人の)再配置」という考え方です。状況に応じて適切に人を動かす仕組みがあれば、業務効率は飛躍的に高まります。
ただし、進捗遅れが発生してからの「再配置」は、あくまで事後対応に過ぎません。
本当に現場を強くするには、必要なスタッフを事前にどれだけ正確に見積もれるか、そしてどの工程でいつ問題が発生しそうかを「予測」する仕組みも欠かせないのです。
「物流現場の“人”にまつわる悩みを、どう解決するか」をテーマにお送りする本コラム。第1回の今回は、日々の変動に対応するための「再配置」に焦点を当て、次回、第2回では「予測」の観点から、計画的な計画的な要員管理のヒントをご紹介していきます。
2. 動的に人を動かす、「再配置」という解決策
従来の要員計画は、シフト表を確定し、計画どおりに業務を遂行するためのものでした。しかし、EC経由で突発のオーダーが入ってくるような現代の物流現場にはそれでは不十分です。見込まれる進捗に応じて、できるだけ早いタイミングで人を「動的に」動かせる体制が求められています。
「再配置」のポイントは3つです。
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3. 変化に対応する現場へ:情報系WESが実現する「再配置の仕組み」
上記の3つのポイントを確実に実現し、変化に柔軟に対応できる現場を構築するためには、「再配置の仕組み」の導入が不可欠です。そして、この仕組みを効果的に実現する上で、情報系WES(倉庫運用管理システム)は非常に有効となります。
情報系WESとは、WMS(倉庫管理システム)とWCS(倉庫制御システム)を補完し、システム統合やシステム連携、データ連携を担うことで、物流現場のリアルタイムな可視化と実行指示の最適化を実現する重要なIT基盤の一つです。
情報系WESが効果的な理由は、このデータ連携能力により現場の状況をリアルタイムで可視化し、客観的なデータに基づいた意思決定を支援する点にあります。従来の属人的な判断に頼るのではなく、WESが提供する情報を活用することで、より迅速かつ的確な要員配置が可能になります。
GROUNDのGWESで実現する「今を捉える動的な要員管理」
GROUNDが提供する、AIを活用した物流施設統合管理・最適化システム「GWES」の "Progress Analyzer" (進捗分析)モジュールは、まさにこの「再配置の仕組み」の中核をなしています。
"Progress Analyzer" は、各工程の進捗と先々の見込みをリアルタイムで可視化します。これにより、人手不足や遅延が発生している、あるいは発生しそうな工程とそのタイミングを即座に特定し、客観的なデータに基づいた根拠ある要員管理の実現が可能になります。
しかし、遅れを検知するだけでは、実際の作業に間に合わないケースも。そこで活躍するのが、「GWES」の "Resource Allocator"(要員配置)モジュールです。
"Resource Allocator" は、"Progress Analyzer" が検知した情報に基づき、作業遅延をリカバリーするための最適な要員配置を随時提案。配置を提案する前提として、数万通りのシミュレーションを高速実行し、「作業者別作業計画」や「作業別要員数計画」を最適化します。
この2つのモジュール連携により、遅れのない効果的な再配置指示が可能になり、現場の柔軟性を飛躍的に高め、残業削減や業務平準化、サービスレベルと顧客満足度の向上に貢献します。
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4.まとめ:動的な「再配置」で、現場の柔軟性を高める
物流現場は、予期せぬ出来事の連続です。急な欠勤や工程の遅れが発生しても、即座に対応できる「再配置」の仕組みがあれば、業務の安定性と効率は大きく向上します。再配置のポイントは、進捗の見える化、スキルの把握、そして即応できる体制です。
情報系WESを活用することで、進捗や遅延の兆候を正確に特定し、多様なシミュレーションから最適な要員配置を導き出せます。これにより、事後対応ではない、遅れのない効果的な「再配置」が可能になります。
ただし、これは当日対応を前提とした施策です。
そもそも人手が足りない状態を事前に防げれば、現場はもっとラクになるはず。
第2回となる次のコラムでは、その鍵となる「予測」について解説します。
【6/10公開予定】物流現場の“人”にまつわる悩みを、どう解決するか―第2回:物流現場の「予測」が現場を変える |
今回の内容が、皆様にとって何らかのヒントとなれば幸いです。
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